「ヨーロッパ旅行に現金はいくら持っていけばいいんだろう…」
「クレジットカードだけで本当に大丈夫なの?」
このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、ヨーロッパは国によって現金の必要度が大きく異なるため、渡航先に合わせた準備が必要です。北欧のスウェーデンでは「現金お断り」のお店が増えている一方、ドイツやイタリアでは今でも現金が必要な場面が多く残っています。
本記事では、以下の情報を詳しく解説していきます。
- ヨーロッパ主要15カ国の現金必要度と特徴
- 国別のクレジットカード普及状況と使える場所
- 現金が必要になる具体的なシーンと対策
- お得な両替方法と滞在日数別の現金目安
ヨーロッパ旅行を計画されている方は、ぜひ最後までお読みいただき、安心して旅行の準備を進めてくださいね。
【結論】ヨーロッパ主要国の現金必要度を一覧で比較
まずは、ヨーロッパ主要国の現金事情を一覧表でご確認ください。旅行先を決める際や、持参する現金の目安を考える参考にしていただけます。
| 国名 | 現金必要度 | 通貨 | クレカ普及率 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| スウェーデン | ★☆☆☆☆ | クローナ | 約98% | 現金お断りの店舗多数 |
| デンマーク | ★☆☆☆☆ | クローネ | 約95% | ほぼ完全キャッシュレス |
| ノルウェー | ★☆☆☆☆ | クローネ | 約95% | 現金不要で旅行可能 |
| オランダ | ★★☆☆☆ | ユーロ | 約90% | タッチ決済が主流 |
| フィンランド | ★★☆☆☆ | ユーロ | 約90% | 北欧型キャッシュレス |
| イギリス | ★★☆☆☆ | ポンド | 約85% | 交通機関もカードOK |
| フランス | ★★★☆☆ | ユーロ | 約75% | 都市部はカード優勢 |
| スペイン | ★★★☆☆ | ユーロ | 約70% | 観光地はカードOK |
| ベルギー | ★★★☆☆ | ユーロ | 約70% | 小規模店は現金も |
| スイス | ★★★☆☆ | フラン | 約70% | ユーロも一部使用可 |
| オーストリア | ★★★☆☆ | ユーロ | 約65% | 観光地はカードOK |
| ポルトガル | ★★★☆☆ | ユーロ | 約65% | 地方は現金推奨 |
| ドイツ | ★★★★☆ | ユーロ | 約50% | 現金主義が根強い |
| イタリア | ★★★★☆ | ユーロ | 約58% | 南部・小規模店は現金 |
| チェコ | ★★★★☆ | コルナ | 約55% | 観光地以外は現金 |
| ギリシャ | ★★★★☆ | ユーロ | 約50% | 島嶼部は現金必須 |
★の数が少ないほど、現金が不要な国・地域となっています。
現金準備の基本的な考え方
上記の表を踏まえ、ヨーロッパ旅行の現金準備には以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 渡航先の国別事情を事前にリサーチする
- VISAとMastercardの2枚持ちを基本とする
- 現金は分散管理し、必要最小限を持ち歩く
それでは、各国の詳しい現金事情について解説していきます。
キャッシュレス先進国|現金がほぼ不要な国・地域
ヨーロッパの中でも、特にキャッシュレス化が進んでいる国・地域があります。これらの国では、むしろ現金を持っていると不便に感じることもあるほどです。
スウェーデン・デンマーク・ノルウェー(北欧3国)
スウェーデンは「現金が消えた国」と呼ばれるほど、世界で最もキャッシュレス化が進んでいる国のひとつです。2015年時点で現金流通残高の対名目GDP比率はわずか1.7%で、日本の19.4%と比較するとその差は歴然としています。
スウェーデンでは、レストランでの食事や街中でのショッピングはもちろん、教会への寄付金、観光名所の入場料、さらには公衆トイレの利用料金まで、至る所でキャッシュレス決済が浸透しています。「No Cash(現金お断り)」の看板を掲げるお店も珍しくありません。
北欧3国で現金が使えない主なシーン
- 公共交通機関のチケット購入(バス・電車の券売機)
- 小規模なカフェやパン屋さん
- 自動販売機
- 一部の公衆トイレ
北欧3国でキャッシュレス化が進んだ背景には、冬季の現金輸送コストの高さや、90年代初頭の金融危機を契機とした生産性向上への取り組みがあります。
また、大手銀行が共同開発したスマホ送金アプリ「Swish(スウィッシュ)」が爆発的に普及し、スウェーデンでは人口約1,000万人のうち約700万人が利用しているといわれています。
旅行者にとっての朗報は、VISAやMastercardのクレジットカードがあれば、ほぼすべての支払いに対応できるということです。むしろ現金を両替してしまうと、帰国時に余ってしまう可能性が高いため、北欧旅行では現金の両替は最小限にとどめることをおすすめします。
オランダ・フィンランド
オランダもキャッシュレス化が非常に進んでいる国です。アムステルダムをはじめとする都市部では、スーパーマーケット、レストラン、美術館、公共交通機関など、ほぼすべての場所でクレジットカードやデビットカードが利用できます。
オランダでは、地元の人々はオランダ国内の銀行が発行する「Maestro」や「V PAY」といったデビットカードを主に使用していますが、観光客向けにはVISAやMastercardのクレジットカードが広く受け入れられています。
フィンランドも同様にキャッシュレス化が進んでおり、通貨がユーロであることから、他のユーロ圏の国との周遊旅行にも便利です。ヘルシンキの公共交通機関ではクレジットカードのタッチ決済が利用でき、切符を買う手間も省けます。
オランダ・フィンランド旅行のポイント
- 公共交通機関はカード決済が基本
- 美術館・博物館もカードOK
- 現金が必要なのは小規模な市場やフリーマーケット程度
- 1週間の旅行でも50ユーロ程度の現金があれば十分
イギリス(ポンド圏)
イギリスは2017年にデビットカードの取扱高が現金を上回り、急速にキャッシュレス化が進んでいます。ロンドンでは交通カード「Oyster card」だけでなく、VISAやMastercardのタッチ決済で地下鉄やバスに乗ることができます。
イギリスの特徴として、スコットランドや北アイルランドでは独自のポンド紙幣が流通していますが、これらはイギリス国外では両替が難しいため、旅行中の決済はなるべくキャッシュレスで行うことをおすすめします。
ロンドンだけでなく、マンチェスターやエディンバラといった地方都市でもキャッシュレス化は進んでおり、スーパーマーケット、ドラッグストア、レストラン、パブ、小規模な商店まで、NFC決済(タッチ決済)が広く普及しています。
現金とカード併用がベスト|バランス型の国・地域
続いて、クレジットカードをメインにしつつ、ある程度の現金も持っておくと安心な国・地域について解説していきます。
フランス(パリ・地方都市の違い)
フランスではほとんどの店舗でクレジットカードでの支払いが可能ですが、それでも最低限の現金は持っておくべきです。
パリなどの大都市では、レストラン、カフェ、デパート、スーパーマーケット、地下鉄の券売機など、ほぼすべての場所でカード決済ができます。
一方、地方の小さな町や村、蚤の市(マルシェ)、個人経営の小さなお店では、現金しか受け付けない場合もあります。
フランス旅行で現金が必要になる主なシーンは以下の通りです。
- 有料トイレ(0.50〜1ユーロ程度)
- チップ(レストランやホテルで)
- 蚤の市やマルシェでの買い物
- 小規模なパン屋やカフェ
- タクシー(カード対応でない車両もあり)
フランス旅行の現金目安
- 1週間のパッケージツアー:100〜150ユーロ
- 1週間の個人旅行:150〜200ユーロ
- パリのみ滞在:100ユーロ程度でも可
スペイン・ポルトガル(南欧)
スペインはクレジットカードの普及が進んでおり、バルセロナやマドリードなどの主要都市では、ほとんどの場所でカード決済が可能です。
ただし、地元のバル(居酒屋風のカフェ)やタパス店、市場(メルカド)では現金払いが好まれることもあります。また、スペインでは少額の支払いに対してカード手数料がかかる場合があり、5ユーロ以下の支払いには現金を求められることも珍しくありません。
ポルトガルも同様の傾向があり、リスボンやポルトなどの都市部ではカード決済が普及していますが、地方の小さな町や観光客が少ないエリアでは現金が必要になることがあります。
南欧旅行のポイント
- 観光地・都市部はカードでOK
- ローカルなバルや市場は現金推奨
- 1日あたり30〜50ユーロの現金があると安心
スイス(スイスフラン+ユーロ事情)
スイスはEU非加盟国のため、通貨はスイスフラン(CHF)を使用しています。ただし、観光地やホテル、大型店舗ではユーロでの支払いを受け付けている場所も多くあります。
スイスでのクレジットカード普及率は約70%で、チューリッヒやジュネーブなどの大都市では問題なくカード決済ができます。ただし、お釣りはスイスフランで返ってくることが多いため、レートを考えるとカード決済を優先するのが賢明です。
スイス旅行で注意したいのは、物価の高さです。ヨーロッパの中でも特に物価が高い国のひとつで、レストランでの食事は日本の2〜3倍程度かかることもあります。現金を多く持ち歩くよりも、カード決済を基本とし、必要に応じてATMでスイスフランを引き出す方法がおすすめです。
ベルギー・オーストリア
ベルギーとオーストリアは、ともにユーロ圏の国で、クレジットカードの普及率は65〜70%程度です。ブリュッセルやウィーンなどの首都圏では、ほとんどの店舗でカード決済が可能ですが、小規模な店舗や地方では現金が必要になることもあります。
特にオーストリアのウィーンでは、伝統的なカフェ(カフェハウス)や老舗のレストランで現金払いを好む傾向があります。また、クリスマスマーケットの屋台や蚤の市では現金が必須となることが多いです。
現金が必要な場面が多い|現金主義が根強い国・地域
ヨーロッパの中には、経済的に発展していながらも現金主義が根強く残っている国があります。これらの国を旅行する際は、しっかりと現金を準備しておくことが重要です。
ドイツ(現金主義大国の実態と変化)
ドイツはヨーロッパの経済大国でありながら、キャッシュレス決済比率が日本よりも低い「現金主義大国」として知られています。
ドイツ人が現金を好む背景には、歴史的・文化的な要因があります。ワイマール共和国時代のハイパーインフレ(1923年)や、第二次大戦後の通貨改革、東西ドイツの分断といった経験から、国家や金融システムへの不信感が根強く残っているといわれています。
また、ドイツ語で「債務」と「罪」は同じ単語(Schuld)であり、借金を忌避する道徳観がクレジットカードの普及を妨げているという分析もあります。
ドイツで現金が必要になる主なシーン
- 小規模なレストランやカフェ
- 個人経営のお店
- 蚤の市やマーケット
- 一部のタクシー
- パン屋さん(ベッカライ)
ただし、近年はドイツでもキャッシュレス化が進みつつあります。ベルリン、ミュンヘン、フランクフルトなどの大都市では、地下鉄やバスの切符がクレジットカードで購入できるようになり、大手スーパーマーケットや百貨店ではカード決済が当たり前になっています。
ドイツ旅行の現金目安
- 2泊3日:50〜70ユーロ
- 3泊4日:60〜80ユーロ
- 1週間:100〜150ユーロ
イタリア(南部・小規模店舗・鉄道事情)
イタリアはもともとヨーロッパの中でも現金主義の傾向が強い国でしたが、コロナ禍以降はキャッシュレス化が急速に進んでいます。2025年現在、ほとんどの店舗やレストラン、カフェでクレジットカードやモバイル決済が利用でき、旅行のしやすさは格段に向上しました。
ローマでは、地下鉄、バス、トラムの乗車にクレジットカードのタッチ決済が利用できます。VISAやMastercardなどのコンタクトレス決済対応カードがあれば、切符を買う手間も省けて非常に便利です。
ただし、イタリアでは以下のような場面で現金が必要になることがあります。
- BAR(カフェ)でのエスプレッソや水の購入
- 有料トイレ
- 小規模な商店や露店
- 南イタリアの田舎町
- チップ(レストランやホテルで)
イタリア旅行の現金目安
- できるだけカード派:1日30〜50ユーロ
- 余裕を持ちたい派:1日80〜100ユーロ
- 1週間の旅行:150〜200ユーロ
チェコ・ハンガリー・ポーランド(中欧諸国)
中欧諸国ではユーロではなく独自通貨を使用している国が多いため、注意が必要です。チェコはコルナ、ハンガリーはフォリント、ポーランドはズロチを使用しています。
プラハやブダペスト、ワルシャワなどの首都では、観光客向けの店舗やレストランでクレジットカードが使えますが、地方の小さな町や地元の人向けのお店では現金のみということも珍しくありません。
また、これらの国ではユーロでの支払いを受け付けている店舗もありますが、レートが悪いことが多いため、現地通貨を用意しておくか、カード決済を利用することをおすすめします。
ギリシャ・クロアチア(東欧・バルカン半島)
ギリシャはユーロ圏ですが、特に島嶼部では現金が必須となる場面が多くあります。サントリーニ島やミコノス島などの人気観光地でも、小規模な店舗やタベルナ(ギリシャ料理店)では現金払いが基本のところがあります。
クロアチアは2023年1月からユーロを導入しましたが、まだまだキャッシュレス化は発展途上です。ドゥブロヴニクやスプリットなどの観光都市ではカード決済が普及していますが、ローカルな市場や小さな町では現金が必要です。
ヨーロッパ旅行で現金が必要になる具体的なシーン
ここまで国別の現金事情を解説してきましたが、実際にどのような場面で現金が必要になるのかを具体的に見ていきましょう。
公共トイレ・チップ・小規模市場
ヨーロッパの公共トイレは有料のところが多く、現金(特にコイン)が必要になることがあります。
有料トイレの相場
- ドイツ:0.50〜1ユーロ
- フランス:0.50〜1ユーロ
- イタリア:0.50〜1ユーロ
- イギリス:0.20〜0.50ポンド
チップについては、ヨーロッパでは北米ほど厳格ではありませんが、レストランやホテルでサービスに満足した場合は渡すのがマナーとされています。カード決済時にチップを上乗せできる場合もありますが、現金で渡すほうがスマートな場面も多いです。
蚤の市やマルシェ(市場)、クリスマスマーケットなどの露店では、ほぼ確実に現金が必要です。これらの場所でのお買い物を楽しみたい方は、小額紙幣やコインを多めに用意しておきましょう。
鉄道・バス・公共交通機関
、ヨーロッパの鉄道ではカード決済が可能な場合が多いですが、国や路線によって事情が異なります。
大都市の地下鉄やバスでは、券売機でカード決済ができる場合がほとんどです。ロンドン、パリ、ローマ、ベルリンなどの主要都市では、クレジットカードのタッチ決済で直接乗車できるシステムも普及しています。
ただし、地方のバスや路面電車では現金のみという場合もあります。特にドイツの地方都市やイタリアの南部では、現金を用意しておくと安心です。
教会・美術館の寄付金・少額入場料
ヨーロッパの教会では、入場は無料でも寄付金を募っているところが多くあります。寄付金は現金で納めるのが一般的で、1〜5ユーロ程度を用意しておくとよいでしょう。
また、小規模な美術館や博物館では、カード決済に対応していないところもあります。事前にウェブサイトで確認するか、現金を持っておくと安心です。
ヨーロッパでクレジットカードを使う際の注意点
ヨーロッパ旅行でクレジットカードを活用するために、知っておくべき注意点を解説していきます。
VISAとMastercardの2枚持ちが必須の理由
Visa JapanおよびMastercard Japanの情報によると、ヨーロッパではVISAとMastercardが最も広く受け入れられている国際ブランドです。
ヨーロッパ旅行では、VISAとMastercardをそれぞれ1枚以上、合計2〜3枚のクレジットカードを持っていくことを強くおすすめします。理由は以下の通りです。
- カードの紛失・盗難に備える:1枚しか持っていないと、紛失や盗難にあった場合に支払い手段がなくなってしまいます。
- 磁気不良やシステムエラーに対応:海外ではカードが読み取れないトラブルが起こることがあります。
- 加盟店の偏りに対応:VISAしか使えない店、Mastercardしか使えない店があります。
JCB・AMEXが使えない場面と対策
JCBの海外加盟店数は約4,300万店に達していますが、ヨーロッパではVISAやMastercardに比べて使える場所が限られています。
特に以下のような場面では、JCBやAMEXが使えないことが多いです。
- イタリアの駅の自動券売機(2024年以降、JCBは使用不可に)
- 小規模な個人経営の店舗
- ドイツの一般的なお店
- 地方都市のレストランやカフェ
AMEXはJCBよりも使える場所が多いですが、加盟店手数料が高いため、小規模な店舗では敬遠されがちです。高級ホテルや大型百貨店では問題なく使えますが、メインカードとしては心もとないでしょう。
対策:JCBやAMEXをメインカードにしている方も、ヨーロッパ旅行時にはVISAまたはMastercardのサブカードを必ず持参してください。
ICチップ・PIN入力・タッチ決済の対応状況
ヨーロッパでは、日本以上にICチップ付きクレジットカードの利用が一般的です。磁気ストライプのみのカードは使えない場合がありますので、出発前に必ず確認してください。
また、ヨーロッパでは暗証番号(PIN)の入力が必須の場面がほとんどです。サイン決済はほぼ受け付けられませんので、クレジットカードの暗証番号を必ず確認してから出発しましょう。暗証番号がわからない場合は、カード会社に問い合わせると1週間程度で書面が届きます。
タッチ決済(コンタクトレス決済)は、ヨーロッパで急速に普及しています。Apple PayやGoogle Payにも対応している店舗が多いので、スマートフォンやスマートウォッチで決済できると便利です。
ユーロへの両替はどこがお得?方法別メリット・デメリット比較
現金の準備方法について、それぞれのメリット・デメリットを比較していきます。
日本国内(銀行・空港・外貨両替店)
金融庁の情報によると、日本国内で外貨両替を行う場合、主に銀行、空港の両替所、外貨両替専門店の3つの選択肢があります。
| 両替場所 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 銀行 | 信頼性が高い | 営業時間が限られる |
| 空港両替所 | 出発直前に対応可能 | レートが割高 |
| 外貨両替専門店 | レートが比較的良い | 店舗を探す手間がある |
日本国内で両替する最大のメリットは、出発前にユーロを確保できる安心感です。特に初めての海外旅行や、英語に自信がない方にはおすすめです。
ただし、一般的に日本国内での両替は手数料が割高になる傾向があります。大手銀行の場合、1ユーロあたり3〜4円程度の手数料が上乗せされることもあります。
現地(空港・市内両替所・ATMキャッシング)
現地での外貨調達方法にはいくつかの選択肢があります。
現地空港での両替
- メリット:到着後すぐに現地通貨を入手できる
- デメリット:レートが最も悪いことが多い
市内の両替所
- メリット:競争があるため、レートが良い場合がある
- デメリット:悪質な両替所もあるため注意が必要
ATMでのキャッシング
- メリット:必要なときに必要な分だけ引き出せる
- デメリット:ATM手数料とキャッシング金利がかかる
注意点:現地の両替所では、「手数料無料(No Commission)」と謳っていても、レートに手数料が上乗せされていることがあります。必ず最終的な受取額を確認してから両替しましょう。
近年は海外旅行向けのデビットカードやトラベルプリペイドカードの利用が増えています。
WiseやRevolutなどの海外送金サービス系カード
- 実際の為替レートに近いレートで決済できる
- 事前にユーロをチャージしておくと手数料が抑えられる
- ATMからの現金引き出しも可能(月間の無料枠あり)
海外プリペイドカード(キャッシュパスポートなど)
- 事前にチャージした分だけ使えるので使いすぎを防げる
- スペアカードがあり、紛失時も安心
これらのカードは、クレジットカードの海外事務手数料(通常2〜3%)を大幅に抑えられるため、ヨーロッパ旅行にはぜひ検討したい選択肢です。
ヨーロッパ旅行の現金持参額|滞在日数・目的別の目安
実際にどのくらいの現金を持っていけばよいのか、滞在日数や旅行スタイル別に目安を解説していきます。
1週間のパッケージツアーの場合
パッケージツアーの場合は、食事やホテル、主要な観光地への入場料が含まれていることが多いため、現金の必要額は比較的少なくて済みます。
1週間のパッケージツアーの現金目安
- キャッシュレス先進国(北欧・オランダ・イギリス):50〜100ユーロ
- バランス型の国(フランス・スペイン・スイス):100〜150ユーロ
- 現金主義が残る国(ドイツ・イタリア):150〜200ユーロ
パッケージツアーでは、自由行動の時間にお土産を買ったり、カフェで休憩したりする程度の現金があれば十分です。ただし、追加のオプショナルツアーや、ツアーに含まれていない食事(昼食など)がある場合は、その分を上乗せして考えましょう。
2週間の個人旅行(周遊)の場合
個人旅行では、すべての支払いを自分で行う必要があるため、パッケージツアーよりも多めの現金を用意しておくと安心です。
2週間の個人旅行(周遊)の現金目安
- キャッシュレス先進国中心:100〜150ユーロ
- 複数国周遊(西欧〜中欧):200〜300ユーロ
- ドイツ・イタリア・中欧中心:250〜350ユーロ
周遊旅行の場合、各国で通貨が異なることもあるため、すべてを現金で用意するのは現実的ではありません。クレジットカードをメインに、現金はあくまで補助的に使うというスタンスがおすすめです。
バックパッカー・長期滞在の場合
長期滞在者やバックパッカーは、大量の現金を持ち歩くのはセキュリティ上のリスクがあります。
長期滞在の現金管理のポイント
- 現金は1週間分程度を目安に持ち歩く
- 必要に応じて現地ATMで引き出す
- 複数のカードを分散して持つ
- 現金とカードは別々の場所に保管する
長期滞在の場合は、海外送金サービス(WiseやRevolutなど)のデビットカードを活用すると、必要なときに必要な分だけ現地通貨を引き出せて便利です。
ヨーロッパで現金を安全に持ち歩くコツ【治安対策】
ヨーロッパ旅行で現金を持ち歩く際の安全対策について解説していきます。
スリ多発エリアと被害を防ぐ方法
ヨーロッパの主要観光地ではスリ被害が多発しています。特に注意が必要なエリアは以下の通りです。
スリ多発エリア
- パリ:エッフェル塔周辺、シャンゼリゼ通り、地下鉄内
- ローマ:コロッセオ周辺、テルミニ駅、地下鉄内
- バルセロナ:ランブラス通り、サグラダ・ファミリア周辺
- ロンドン:ウェストミンスター周辺、地下鉄内
- プラハ:カレル橋、旧市街広場
スリ被害を防ぐポイント
- 財布は後ろポケットに入れない
- リュックサックは前に抱える
- 派手なブランド品を身につけない
- 人混みでは特に警戒する
- 話しかけてくる知らない人には注意する
現金の分散管理・セキュリティポーチの活用
海外旅行時の金銭管理について注意が必要です。
現金の分散管理のコツ
- 1日に使う分だけを財布に入れる
- 残りの現金はセキュリティポーチに保管
- ホテルのセキュリティボックスを活用する
- 複数の場所に分けて保管する
セキュリティポーチ(マネーベルト)は、衣服の下に着用できる薄型のポーチで、パスポートや予備の現金、カードを安全に保管できます。首からかけるタイプや腰に巻くタイプなど、さまざまな種類がありますので、自分に合ったものを選びましょう。
万が一の紛失・盗難時の対処法
万が一、現金やカードを紛失・盗難にあった場合は、すぐに以下の対応を取りましょう。
- クレジットカードの利用停止:カード会社の緊急連絡先に電話して、カードを停止します。
- 現地警察への届出:盗難の場合は、最寄りの警察署で被害届を作成してもらいます。この書類は保険請求に必要です。
- 在外公館への連絡:パスポートを紛失した場合は、最寄りの日本大使館・総領事館に連絡します。
事前に準備しておくべきこと
- カード会社の緊急連絡先をメモしておく
- カード番号の控えを別の場所に保管
- 海外旅行保険に加入しておく
よくある質問
Q1. ヨーロッパ旅行に現金はいくら持っていくべき?
A: 渡航先の国と滞在日数によって異なりますが、1週間の旅行で100〜200ユーロが目安です。
キャッシュレス先進国(北欧・オランダ・イギリス)であれば50〜100ユーロ程度で十分ですが、ドイツやイタリアなど現金主義が残る国では150〜200ユーロを用意しておくと安心です。基本的にはクレジットカードをメインに、現金はトイレやチップ、小規模店舗での支払い用として考えましょう。
Q2. クレジットカードだけでヨーロッパ旅行は可能?
A: 北欧諸国やオランダ、イギリスではほぼ可能ですが、完全に現金なしで旅行するのは難しいでしょう。
多くの国でクレジットカード決済が普及していますが、有料トイレやチップ、蚤の市での買い物など、現金が必要になる場面は必ずあります。最低でも50ユーロ程度の現金を持っておくことをおすすめします。
Q3. ユーロ以外の通貨(ポンド・スイスフラン等)も両替すべき?
A: 事前に大量の両替は不要です。クレジットカード決済を基本とし、必要に応じて現地ATMで引き出すのがおすすめです。
イギリス(ポンド)、スイス(スイスフラン)、北欧諸国(各国クローナ/クローネ)など、ユーロ以外の通貨を使う国に行く場合も、日本で事前に両替するよりも、現地でカード決済するか、ATMで必要額を引き出す方が効率的です。複数の通貨を日本円で両替すると、手数料が重なって損をすることが多いです。
Q4. 現地ATMでの引き出しは安全?手数料は?
現地ATMでの引き出しは銀行が設置している正規のATMを利用すれば安全です。
ATM利用時の注意点
- 銀行内や空港内など、安全な場所にあるATMを利用する
- 暗証番号を入力する際は周囲に注意する
- カードを取り忘れないよう注意する
手数料について
- クレジットカードのキャッシング:ATM手数料(100〜200円程度)+金利(年率15〜18%程度)
- デビットカード:ATM手数料+海外事務手数料(1〜3%程度)
- WiseやRevolut:月間無料枠あり、超過分は手数料がかかる
Q5. 余ったユーロは日本で円に戻せる?
A: はい、日本で円に戻すことは可能ですが、再両替時にも手数料がかかります。
空港の両替所や銀行で円に戻すことができますが、両替手数料がかかるため、できれば現金は使い切るか、次の海外旅行に備えて保管しておくことをおすすめします。ユーロは世界的に流通している通貨なので、他のユーロ圏への旅行でも使えます。
まとめ:ヨーロッパ旅行の現金準備を完璧にするポイント
この記事では、ヨーロッパ旅行における現金事情を国別に詳しく解説してきました。最後に、旅行スタイル別のおすすめと、準備のポイントをまとめます。
キャッシュレス派の方 → 北欧・オランダ・イギリスを中心に
- VISAとMastercardがあればほぼ現金不要
- 現金は念のため50ユーロ程度を用意
- タッチ決済対応のカードがあると便利
現金も持っておきたい派の方 → ドイツ・イタリア・中欧対策を
- 1日あたり30〜50ユーロの現金を用意
- 小額紙幣とコインを多めに
- クレジットカードと現金を使い分ける
ヨーロッパ旅行 現金準備の3つのポイント
- 渡航先の国別現金事情を事前にリサーチ
- 国によって現金の必要度は大きく異なります
- 周遊旅行の場合は、最も現金が必要な国に合わせて準備しましょう
- VISAとMastercardの2枚持ち+少額の現金を準備
- JCBやAMEXだけでは不便を感じる場面が多いです
- カードの紛失・盗難に備えて複数枚持参しましょう
- 現金は分散管理し、スリ対策を徹底
- 1日に使う分だけを財布に入れる
- セキュリティポーチを活用する
- 人混みでは特に警戒する
ヨーロッパ旅行を安心して楽しむために、この記事を参考に現金とカードの準備を進めてくださいね。素敵な旅行になりますように!



